歯ツラツくん
BLOG

ホーム歯ツラツくんBLOG高齢者の口腔ケアが大切な理由|誤嚥性肺炎のリスクとは?
訪問歯科診療

高齢者の口腔ケアが大切な理由|誤嚥性肺炎のリスクとは?

高齢になると、体の機能が少しずつ低下していきます。そのなかでも特に見落とされやすいのが「お口の健康」です。

 

「食べ物が飲み込みにくくなった」
「むせることが増えた」
「入れ歯が合わずに食事がしづらい」

 

こうした変化を「年齢のせい」と思い込んでしまうご家族様も少なくありません。
しかし、口腔ケアを怠ると 誤嚥性肺炎 という深刻な病気のリスクが高まります。
誤嚥性肺炎は高齢者の死亡原因としても上位に位置し、介護の現場でも大きな課題となっています。
本記事では、高齢者の口腔ケアがなぜ重要なのか、誤嚥性肺炎との関係、そして訪問歯科でできるサポートについて詳しく解説します。

第1章|高齢者における口腔機能の変化

加齢とともに、お口の機能にはさまざまな変化が現れます。

 

•唾液の分泌量が減る
→ 口が乾きやすく、細菌が増殖しやすい
•噛む力の低下
→ 食べ物を細かく噛み砕けず、飲み込みにくい
•舌や頬の筋力低下
→ 食べ物を喉に送り込む力が弱くなる
•入れ歯の不具合
→ 食事が偏り、栄養状態の悪化にもつながる

 

これらの変化により、口の中に食べかすが残りやすくなり、細菌が繁殖。
さらに、飲み込む機能(嚥下機能)が弱まることで、食べ物や唾液が誤って気管に入り、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。
つまり、高齢者にとって「口腔機能の衰え」はそのまま全身の健康リスクにつながる のです。

第2章|誤嚥性肺炎とは?

誤嚥性肺炎とは、本来は食道へ送られるはずの食べ物や唾液、お口の中の細菌が誤って気管や肺に入ることで発症する肺炎です。

 

発症のメカニズム
1.嚥下機能が低下し、飲み込みがうまくいかない
2.唾液や食べかすと一緒に細菌が気管に入る
3.肺で炎症が起こり、肺炎に発展

 

高齢者に多い理由
•咳反射が弱く、異物を外に出せない
•免疫力が低下している
•入れ歯や歯垢に細菌がたまりやすい

 

影響の大きさ
厚生労働省の統計によると、日本における高齢者の死因の上位には「肺炎」が含まれ、その多くが誤嚥性肺炎とされています。一度発症すると再発を繰り返しやすく、入院・寝たきりのきっかけになることもあります。
誤嚥性肺炎は「お口の中の清潔さ」と深く関わっているため、日常的な口腔ケアが最大の予防策 なのです。

第3章|口腔ケアが誤嚥性肺炎予防につながる理由

なぜ口腔ケアが誤嚥性肺炎を防ぐのでしょうか?

 

① 細菌数を減らす
歯磨きや舌の清掃で口の中の細菌を減らすと、誤って気管に入ってしまった場合でも肺炎のリスクが低下します。
② 飲み込みの力を維持
口腔ケアには口周りの筋肉を刺激する効果もあります。歯科衛生士によるリハビリを組み合わせることで、嚥下機能の維持・改善につながります。
③ 食事の楽しみを守る
入れ歯を正しく調整することで噛みやすくなり、栄養状態の改善にも寄与します。結果として免疫力の維持にもつながります。

 

つまり、口腔ケアは「清掃」だけでなく、「全身の健康を守る医療行為」として非常に重要なのです

第4章|高齢者におすすめの口腔ケア方法

ご家庭でもできるケアと、専門的なケアを組み合わせるのが理想です。

 

ご家庭でできるケア
•歯ブラシでの歯磨き(仕上げ磨きをサポート)
•舌ブラシやガーゼでの舌清掃
•入れ歯の毎日の洗浄
•口腔保湿ジェルの使用

 

専門的なケア(訪問歯科・歯科衛生士による)
•専用器具での歯垢・歯石除去
•義歯の専門的クリーニング・調整
•嚥下機能訓練(パタカラ体操など)
•ケア方法のご家族様への指導

 

ご家庭でできることと専門家が行うケアを併用することで、より確実に誤嚥性肺炎のリスクを下げられます。

第5章|訪問歯科でできること

 

通院が難しい高齢者の方でも、訪問歯科を利用すればご自宅や介護施設等で口腔ケアや治療を受けることができます。

 

主な診療内容
•虫歯・歯周病の治療
•入れ歯の作製・修理・調整
•専門的口腔ケア(歯磨き指導・クリーニング)
•嚥下評価・リハビリ

 

訪問歯科ではポータブル機材を持ち込むため、ベッド上での診療も可能です。

第6章|費用と保険の仕組み

 

訪問歯科は 医療保険と介護保険 の両方を利用できます。
•医療保険 → 虫歯治療や入れ歯治療など一般的な歯科治療
•介護保険(居宅療養管理指導)→ 歯科医師または歯科衛生士による口腔ケアや機能訓練

 

居宅療養管理指導はケアプランには含まれず、介護保険の限度額の対象外となるため、ご利用者様にとって利用しやすい制度となっています。

第7章|ご家族様・ケアマネジャー様へのメッセージ

 

高齢者の健康を守るうえで、口腔ケアは欠かせません。しかし、ご家庭だけで行うには限界もあります。
そのようなときはぜひ、訪問歯科の活用をご検討ください。
歯科医師や歯科衛生士が専門的にサポートすることで、誤嚥性肺炎のリスクを減らし、ご利用者様の生活の質を高めることができます。
特にケアマネジャー様におかれましては、ご利用者様の中で「食事がしづらそう」「口臭が強い」「むせることが増えた」といったサインが見られた場合、是非弊社窓口へお気軽にご相談ください。

まとめ

高齢者の口腔ケアは「お口をきれいにするため」だけでなく、誤嚥性肺炎を予防し、全身の健康を守るために欠かせないケア です。
ご家庭での毎日のケアに加えて、訪問歯科を活用することで、より安全で効果的な口腔ケアが可能になります。
もし、ご家族様やご利用者様のお口の健康に不安を感じられたら、是非一度、弊社窓口までご相談ください。
お住まいの地域に対応できる訪問歯科医院をお手配し、安心して口腔ケアを受けられるようサポートいたします。

電話相談受付はこちら訪問歯科110番
お住まいの地域で訪問歯科を探す訪問歯科ガイド