歯ツラツくん
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ご家族様・介護者向け 在宅介護中の親の口腔ケア、どうしたらいい?
在宅介護をしているご家族様・介護者の方にとって、「親の口腔ケアをどうすればよいのか」は大きな悩みの一つです。
食事や排泄、服薬管理などに加えて、口腔内の清潔を保つことも健康維持に欠かせません。
しかし、高齢になると自力での歯磨きが難しくなったり、口の中の変化に気づきにくくなったりすることがあり、知らない間に口腔トラブルが進行してしまうことも…。
本記事では、在宅介護中の親御様のために、ご家族様・介護者が行える口腔ケアの基本やポイント、プロに頼るタイミング、そして訪問歯科の活用法まで詳しくご紹介します。
毎日の介護の中に無理なく取り入れられるケア方法を学び、安心して介護生活を送れるようにサポートいたします。
◆なぜ口腔ケアが大切なのか?
口腔ケアは、単にお口の中をきれいに保つことだけが目的ではありません。
高齢者にとっては以下のような多くのメリットがあります。
- 誤嚥性肺炎の予防
高齢になると嚥下機能が低下し、食べ物や唾液が気管に入り込みやすくなります。
このとき、口腔内に細菌が多いと誤って気管に入った際に肺炎を引き起こすことがあります。これが誤嚥性肺炎です。
口腔内を清潔に保つことで、誤嚥による感染リスクを大きく軽減できます。
- 食事や栄養状態の維持・改善
歯や入れ歯のトラブルがあると、噛みにくさから食事量が減少し、結果として栄養不良を招く可能性があります。
適切な口腔ケアにより咀嚼能力が保たれることで、食事が楽しめるようになり、栄養状態の改善に繋がります。
- 虫歯・歯周病の予防
加齢や疾患の影響により、唾液の分泌が減り、口腔内の自浄作用が低下します。
そのため、細菌が繁殖しやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯磨きや粘膜の清掃を行うことで、こうした疾患の予防が可能です。
- 会話能力の維持
清潔な口腔環境を保つことで、「話す・笑う」といったコミュニケーションへの意欲も高まります。
特に入れ歯の不調があると発音に支障が出る場合もあるため、ケアと定期的な調整が重要です。
会話がしやすくなることで、QOLの向上にも繋がります。
◆ご家族様ができる日常の口腔ケア
ご家族様が行う口腔ケアは、基本的なブラッシングから始めましょう。
以下は介助の際のポイントです。
【基本のケア方法】
・歯ブラシはヘッドが小さく、毛が柔らかいものを使用
・寝たままでもできるよう、体を起こした姿勢でケアする
・口の中を照らすライトを活用
・舌や粘膜の汚れもやさしく拭き取る
【補助的なアイテム】
・口腔ケア用のウェットティッシュ
・吸引付きの電動ブラシやスポンジブラシ
・保湿ジェル(口腔乾燥対策)
- 歯磨きは「簡単でOK」を意識
高齢になると力を入れて歯磨きをするのが難しくなる方もいらっしゃいます。
ご家族様がサポートする際も、無理に細かく磨こうとせず、全体をやさしく撫でるように磨くだけでも十分に効果があります。
歯ブラシはやわらかめを選び、乾燥しやすい口の中を傷つけないようにしましょう。
- お口の中を見て「普段と違う様子がないか」をチェック
毎日でなくても、「最近お口のにおいが強くなったかも」「歯茎が赤くなっている気がする」など、ちょっとした変化に気づいてあげることが大切です。難しい知識は不要です。
「普段と様子が違うな」と思ったら、早めに訪問歯科などに相談することが予防につながります。
- お水やお茶でうがいをするだけでもケアに
ご本人様が歯磨きをできない時や食後に、コップ1杯のお水やお茶でうがいをするだけでも、口の中を清潔に保つ助けになります。
口腔内の食べかすを流すことができ、誤嚥の予防にもつながります。
- 道具はシンプルで続けやすいものを
スポンジブラシや保湿ジェルなども便利ですが、最初はご家庭にある歯ブラシやガーゼなど、手に取りやすいもので十分です。
たとえば、ガーゼをぬるま湯で湿らせて指に巻き、歯や歯茎をやさしく拭くだけでもOKです。
- 出来たことを一緒に喜ぶ時間に
介護を受けるご本人様にとっても、「口の中がさっぱりした」「きれいになった」と感じることは気分転換になります。
「今日も気持ちよくなりましたね」と声をかけたり、最後に好きなお茶を一緒に飲んだりすることで、ご本人様やご家族様にとって口腔ケアが負担でなく、大切なふれあいのひとときに変わります。
◆こんなときはプロに相談を
次のような兆候が見られた場合は、訪問歯科や歯科衛生士への相談をおすすめします。
・口臭が強い
・歯茎からの出血がある
・食べ物が噛みにくそう
・口を開けるのを嫌がる
・口の中にできものや傷がある
これらは虫歯や歯周病、口腔内の炎症などが疑われます。早期に発見して治療を行うことで、重症化を防ぐことが可能です。
また、寝たきりの方や認知症の方には、プロのケアが不可欠な場面もあります。
定期的な訪問診療や口腔ケア指導を受けることで、衛生状態の維持やトラブル予防につながります。
◆訪問歯科で受けられるサービス
訪問歯科では、通院が困難な方のご自宅や施設に歯科医師・歯科衛生士が訪問し、診療やケアを行います。
【主なサービス内容】
・虫歯や歯周病の治療
・入れ歯の作製、調整、修理
・定期的な口腔ケアやクリーニング
・嚥下機能のチェックやリハビリ
健康保険や介護保険が適用されるため、費用負担も抑えられます。
当社では、電話相談や検索サイトを通じて、地域に対応した訪問歯科医院をスムーズにご案内しています。
◆ご家族様・介護者の心がけと負担軽減のポイント
介護を担うご家族様・介護者にとって、毎日の口腔ケアは大きな負担にもなりかねません。
そんな中でも継続的にケアを続けるには、無理のない工夫が必要です。
【心がけのポイント】
・完璧を目指さず「できる範囲」で行う
・無理なときはプロに頼る
・介護サービスや家族と協力して分担する
口腔ケアの負担を感じたときは、歯科衛生士への相談や、地域包括支援センターへの相談も有効です。
また、定期的にプロによる口腔チェックを入れることで、安心感も得られます。
ご家族様自身の健康を守ることも忘れずに、長く無理なく続けられる方法を見つけていきましょう。
◆Q&A
Q1. 親が嫌がって口腔ケアをさせてくれません。どうすればいいですか?
A1. 無理に行わず、声かけや説明をしながら、少しずつ慣れてもらうことが大切です。
場合によってはプロに依頼することもご検討ください。
Q2. どのくらいの頻度で口腔ケアを行えばよいですか?
A2. 毎食後が理想ですが、最低でも朝と夜の2回は行いましょう。
体調や状況に合わせて調整してください。
Q3. 訪問歯科はどうやって依頼すればいいですか?
A3. 当社の電話相談や検索サイトをご利用いただければ、対応可能な歯科医院をご案内いたします。
Q4. 費用は高くありませんか?
A4. 健康保険・介護保険が適用されるため、比較的安価に利用できます。
在宅介護中の親御様の口腔ケアは、健康維持と生活の質に直結する重要なケアです。
ご家族様ができるケアに加え、プロのサポートをうまく取り入れることで、安心して毎日を過ごすことができます。
当社では、電話相談と検索サイトの2つの方法で、訪問歯科のサポート体制を整えています。
▶無料で相談するhttps://www.119.dental/
▶お住まいの地域で訪問歯科を探すhttps://dental-guide.org/