歯ツラツくん
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嚥下が難しい母にできる歯科ケアってある?
「最近、母がうまく飲み込めないことが増えてきた…」
「誤嚥しないか心配」「食事のたびにむせてしまう」
そんなお悩みを抱えているご家族様は少なくありません。
嚥下障害とは、食べ物や飲み物を口から胃まで正しく送り込む機能がうまく働かなくなる状態のこと。
高齢になると筋力や感覚の低下などが原因で嚥下が難しくなり、誤嚥性肺炎などのリスクが高まります。
実はこうしたケースでも、「口腔ケア」が大きな助けになることをご存じでしょうか?
口腔ケアは、単なる清掃のためだけでなく、嚥下機能の維持や誤嚥の予防にも効果があります。
特に、訪問歯科を活用すれば、ご自宅で無理なく専門的なサポートが受けられます。
この記事では、嚥下が難しい状態でもできる口腔ケアや訪問歯科での対応、ご家族様ができるサポートについて詳しく解説していきます。
嚥下障害と口腔ケアの関係
嚥下障害があると、口の中に食べ物が残りやすくなり、細菌が繁殖しやすくなります。
結果として、口臭、虫歯、歯周病、さらには誤嚥性肺炎を引き起こすリスクが高まります。
特に誤嚥性肺炎は、口腔内の細菌が唾液や食物とともに気管に入ってしまうことで発症し、高齢者の死亡原因としても上位に挙げられます。
口腔内が不衛生な状態が続けば、そのリスクは格段に高まるため、口腔ケアは命を守るケアでもあります。
また、口腔内の不快感は食欲低下や会話の減少にもつながり、生活の質(QOL)を低下させます。
きちんとケアを続けることで、口の中を清潔に保ち、唾液の分泌を促し、食べる力や話す力をサポートすることができます。
家庭でできる嚥下障害のある方への口腔ケア
嚥下障害のある方への口腔ケアは、「安全」「快適」「継続しやすさ」が大切です。
1. 歯磨きは無理なく安全に。座位が難しい場合は、上体を少し起こした姿勢で行うと誤嚥を防ぎやすくなります。
やさしく丁寧に磨くことが重要で、仕上げ磨きはご家族様が行うと安心です。
スポンジブラシや歯科用ウェットティッシュも活用しましょう。
2. 舌、粘膜の清掃 、舌苔は口臭や菌の温床になります。
専用の舌ブラシ、または湿らせたガーゼなどで舌や頬の内側をやさしく拭き取りましょう。
3. 唾液腺マッサージ 、唾液の分泌を促すことで、嚥下がしやすくなります。
耳下腺(耳の下)、顎下腺(あごの下)、舌下腺(あごの内側)を指でやさしくマッサージしましょう。
4. 飲み込みのリハビリ「ごっくん体操」や「パ・タ・カ・ラ体操」などの発声練習は、嚥下機能の維持に有効です。無理のない範囲で毎日続けることが大切です。
訪問歯科でできるケア
訪問歯科は、歯科医師や歯科衛生士がご自宅まで訪問し、嚥下障害のある方にも対応できる専門的な口腔ケアを提供します。
【訪問歯科で受けられる主な内容】
・歯石、歯垢除去:自分では磨ききれない部分まで専門器具で清掃
・舌苔、粘膜ケア:菌の温床となる部分を丁寧にケア
・唾液腺マッサージや口腔リハビリ:専門知識をもとに安全に実施
・入れ歯の調整や修理:嚥下しやすい状態に調整
・嚥下機能の評価とアドバイス:医科と連携した支援も可能
歯科医院によっては、嚥下障害の専門医や言語聴覚士(ST)と連携を取り、より高度なサポートを提供しているところもあります。
ご家族様ができるサポート
ご本人様が安心して口腔ケアを受けられるように、ご家族様の支援も大切です。
1. 声かけと雰囲気づくり:「今日はさっぱりしようね」「一緒にやってみよう」など、優しい声かけが安心につながります。
2. ケアグッズの準備:スポンジブラシ、口腔用保湿ジェル、洗口液など、安全に使えるものを揃えておくと便利です。
3. 食事時の姿勢や環境の見直し:椅子に深く腰かけ、やや前かがみの姿勢で食べると誤嚥しにくくなります。
会話やテレビを控えて、集中して食事をとることも大切です
4. 訪問歯科の受診を後押し:「お口の健康のためにプロに診てもらおうね」と前向きな気持ちで説明し、訪問歯科を受診する導入をサポートしましょう。
Q&A
Q:歯がなくても口腔ケアは必要ですか?
A:はい。入れ歯の清掃はもちろん、歯茎、舌、頬などの粘膜ケアがとても重要です。不衛生な状態は誤嚥性肺炎の原因になります。
Q:むせやすい方でも歯磨きできますか?
A:可能です。姿勢を正し、誤嚥を避けるように工夫すれば、比較的安全に歯磨きができます。専用の道具を使うことで、負担も軽減されます。
Q:訪問歯科はどうやって探せばいい?
A:当社の電話相談受付をご利用いただくと、ご本人様の状態に合わせて最適な歯科医院をお手配できます。
Q:介護保険や健康保険は使えますか?
A:はい。多くの訪問歯科は介護保険・健康保険の対象となっており、費用面の負担も比較的少なく済みます。
Q:どのくらいの頻度で利用すればいい?
A:お口の状態にもよりますが、月1〜2回の定期的なケアが一般的です。
まとめ
嚥下が難しくなっても、適切な口腔ケアを続けることで、誤嚥や肺炎などのリスクを大幅に減らすことが可能です。お母様が少しでも快適に、安全に過ごせるよう、ご家族様の支援と専門的なサポートを上手に組み合わせていくことが大切です。
訪問歯科サービスを利用すれば、自宅にいながら専門的な診療やアドバイスを受けることができるため、体調が不安定な方でも安心です。
「どうしたらいいか分からない」「専門家に相談したい」そんなときは、ぜひ当社の電話相談受付にご連絡ください。