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訪問歯科診療

外出が困難な方の歯科治療|訪問歯科の対象者を解説

はじめに|歯科医院へ行くのが難しくなったら、どうすればいい?

「以前は一人で歯医者に行けていたけれど、最近は外出が難しくなった」

「親の歯を診てもらいたいけれど、歯科医院まで連れて行くのが大変」

「車椅子や寝たきりでも、歯科治療を受けられるの?」

高齢の親御様を支えるご家族様から、このようなお悩みが寄せられることがあります。

 

年齢を重ねると、足腰の筋力低下や病気、障害、認知症などによって外出そのものが負担になることがあります。

また、ご家族様が送迎や付き添いをする場合も、仕事や介護などとの両立が難しくなるケースがあります。

しかし、外出が困難になったからといって、歯科治療を諦める必要はありません。

 

そのような方のために知っておきたいのが「訪問歯科」です。

訪問歯科では、歯科医師や歯科衛生士がご自宅や介護施設等へ訪問し、ご本人様の状態に合わせて歯科診療や口腔ケアを行います。

では、具体的にどのような方が訪問歯科の対象になるのでしょうか。

 

この記事では、訪問歯科の対象となる方の例、受けられる歯科治療、利用するメリット、費用、利用までの流れについて、ご家族様にもわかりやすく解説します。

第1章|訪問歯科の対象になるのはどのような方?

訪問歯科は、「お一人で歯科医院まで通うことが難しい方」が歯科診療を受けるための選択肢の一つです。

例えば、次のような方が訪問歯科の利用を検討できます。

 

【歩行が難しくなった方】

加齢や病気などによって歩行が不安定になり、一人で外出することが難しい方です。

杖や歩行器を使用している場合でも、歯科医院までの移動や待ち時間が大きな負担になることがあります。

 

【車椅子を利用している方】

車椅子を利用している方の場合、歯科医院までの移動だけでなく、車への乗り降りや診療室への移動などにも介助が必要になる場合があります。

 

【寝たきりの方】

ベッドからの移動そのものが難しい方の場合、歯科医院への通院は大きな負担になります。

訪問歯科では、ご本人様の状態に合わせて訪問先で診療を行える場合があります。

 

【認知症などにより外出が難しい方】

認知症などによって環境の変化に不安を感じたり、外出を嫌がったりする方もいます。

そのような場合、ご自宅や介護施設等で診療を受ける方法が選択肢になることがあります。

 

【病気や障害などにより外出が難しい方】

病気や障害などによって長時間の外出が難しい方も、訪問歯科について相談できる場合があります。

 

ただし、訪問歯科の対象となるかどうかは、ご本人様の状態や歯科医院の対応状況などによって異なります。

「この状態でも利用できるのかな?」と迷った場合は、自己判断せず、まずは歯科医院や訪問歯科の相談窓口へ確認してみましょう。

第2章|外出が困難でも、どのような歯科治療を受けられる?

「訪問歯科では、歯のクリーニングしかできないのでは?」と思われる方もいらっしゃいます。

しかし、訪問歯科では、歯科医院によって対応できる内容は異なりますが、さまざまな歯科診療を受けられる場合があります。

代表的なものを見てみましょう。

 

【虫歯の治療】

虫歯の状態を確認し、必要な処置を行います。

「歯が痛そうだけれど、歯科医院へ連れて行けない」という場合も、まずは相談してみましょう。

 

【歯周病の治療】

歯茎の腫れや出血、歯のぐらつきなどが気になる場合にも、歯周病の状態を確認して必要な処置を行います。

 

【入れ歯の作製・調整・修理】

高齢者様に多いお悩みの一つが入れ歯です。

「入れ歯が痛い」、「外れやすくなった」、「以前より噛みにくい」といった場合、調整や修理などについて相談できます。

 

【口腔ケア】

歯科衛生士による専門的な口腔ケアを受けられる場合があります。

ご自身で十分な歯磨きが難しい方にとって、定期的な口腔ケアはお口の健康を維持するうえで大切です。

 

【お口の機能に関する相談】

食べ物を噛む、飲み込む、会話をするといったお口の機能について相談できる場合もあります。

「最近、食事がしにくそう」、「食事中にむせることが増えた」などの変化がある場合は、歯科へ相談するきっかけになります。

 

なお、対応できる治療内容は歯科医院によって異なります。

相談する際には、「虫歯が気になる」「入れ歯を調整してほしい」など、現在のお悩みを具体的に伝えるとスムーズです。

第3章|訪問歯科を利用するメリットは?ご本人様とご家族様の負担を軽減

訪問歯科の大きなメリットは、ご本人様が歯科医院まで移動する負担を軽減できることです。

例えば、歯科医院へ通院する場合には、「着替える」、「自宅から車まで移動する」、「車へ乗り降りする」、「歯科医院まで移動する」、「待合室で待つ」といった多くの負担があります。

 

外出が困難な方にとって、これらを一つ一つ行うことが大きな負担になる場合があります。

訪問歯科であれば、ご自宅や介護施設等で診療を受けられるため、移動に伴う負担を抑えられる可能性があります。

 

また、ご家族様にとってもメリットがあります。

「親を歯医者に連れて行きたいけど、通院の付き添いが難しい」という場合、送迎や待ち時間などの負担を減らせる可能性があります。

さらに、ご本人様のお口の状態について、歯科医師や歯科衛生士に直接相談できることも大きなポイントです。

 

例えば、「最近、食事量が減った」、「歯磨きを嫌がる」、「口臭が気になる」、「入れ歯を使わなくなった」など、日常生活で気になっていることを伝えることで、お口の状態を確認するきっかけになります。

歯科受診は、歯の痛みを治すためだけではありません。

お口を健康に保ち、「食べる」、「話す」、「笑う」といった毎日の生活を支えるためにも重要です。

第4章|訪問歯科の費用は?健康保険は使える?

訪問歯科を利用するとき、ご家族様が気になるのが「費用」です。

「自宅まで来てもらうので、高額になるのでは?」と心配される方もいらっしゃいます。

 

訪問歯科では、基本的に健康保健が適用されます。

また、歯科医師や歯科衛生士による介護サービス、居宅療養管理指導も行われます。

 

ただし、実際にかかる費用は、

  • 年齢
  • 所得
  • 健康保険の負担割合
  • 診療内容
  • 訪問先

などによって異なります。

 

そのため、「訪問歯科なら必ず○円」と一律に考えることはできません。

利用を検討する際には、訪問する歯科医院へ、診療内容や自己負担額について事前に確認しておくと安心です。

また、介護保険に関係する「居宅療養管理指導」が行われる場合、その扱いについて疑問があれば、歯科医院やケアマネジャー様に確認しましょう。

 

費用について不安がある場合も、「高そうだから」と相談をためらう必要はありません。

まずは「どのような費用がかかるのか」を確認することから始めてみましょう。

第5章|訪問歯科を利用するには?ご家族様が知っておきたい流れ

「訪問歯科を利用したい」と思ったら、まずは相談することから始めましょう。

 

STEP1|現在のお悩みを整理する

まずは、ご本人様のお口について気になっていることを整理します。

例えば、

  • 歯が痛そう
  • 歯茎から出血している
  • 入れ歯が合わない
  • 食事がしにくそう
  • 口臭が気になる
  • 口腔ケアが十分にできない

などです。

 

STEP2|訪問歯科を探す

お住まいの地域に対応している訪問歯科を探します。

介護サービスをご利用中の場合は、ケアマネジャー様へ相談することもできます。

また、歯科衛生士へ相談できる専門窓口を利用する方法もあります。

 

STEP3|ご本人様の状態を伝える

相談するときは、「歩行が難しい」、「車椅子を利用している」、「寝たきりである」、「認知症があり外出を嫌がる」など、現在の状態をできるだけ具体的に伝えましょう。

 

STEP4|訪問日時を調整する

対応可能な歯科医院が決まったら、訪問日時などを調整します。

 

STEP5|ご自宅や介護施設等で診療を受ける

歯科医師や歯科衛生士が訪問し、ご本人様のお口の状態などを確認したうえで、必要な診療やケアを行います。

Q&A|外出が困難な方の訪問歯科について

Q1.どの程度外出が難しければ訪問歯科を利用できますか?

A. 訪問歯科の対象となるかどうかは、ご本人様の状態や歯科医院の判断などによって異なります。

歩行が難しい、車椅子を利用している、寝たきりである、認知症などにより外出が難しいといった場合は、まず訪問歯科へ相談してみましょう。

 

Q2.車椅子を利用していますが、訪問歯科を利用できますか?

A. 車椅子を利用している方でも、訪問歯科を利用できる場合があります。

歯科医院へ通院することが大きな負担になっている場合は、訪問診療が可能か相談してみるとよいでしょう。

 

Q3.寝たきりでも虫歯の治療はできますか?

A. ご本人様の状態や治療内容によりますが、訪問歯科で虫歯治療に対応している歯科医院があります。

寝たきりだからといって歯科治療を諦める必要はありません。まずは状態を伝えて相談してください。

 

Q4.認知症の親が歯医者を嫌がっています。

A. 無理に歯科医院へ連れて行くのではなく、訪問歯科という選択肢を検討できます。

ご自宅や介護施設等で診療を受けられる場合があるため、外出による不安や負担を軽減できる可能性があります。

 

Q5.訪問歯科では入れ歯の調整もできますか?

A. 入れ歯の調整や修理などに対応している歯科医院があります。

「入れ歯が痛い」、「外れやすい」、「食事がしにくい」といった場合は、早めに相談しましょう。

まとめ|外出が困難でも、歯科治療を諦めないために

高齢になると、歩行が難しくなったり、車椅子を利用するようになったり、寝たきりや認知症などによって外出が難しくなることがあります。

そのような場合でも、歯科治療や口腔ケアを諦める必要はありません。

訪問歯科では、歯科医師や歯科衛生士がご自宅や介護施設等へ訪問し、虫歯や歯周病の治療、入れ歯の調整・修理、口腔ケアなどを行える場合があります。

 

「歯医者に連れて行きたいけれど、通院の付き添いが難しい」と感じているご家族様にとって、訪問歯科は知っておきたい選択肢の一つです。

また、「うちの親は訪問歯科を利用できるのかな?」と迷った場合も、最初から利用を決める必要はありません。

まずは、ご本人様の状態やお口のお悩みを専門家へ相談してみましょう。

 

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